みかんのたね

薬学や研究の話、くだらない話、愚痴などを書きます。

鞄には折り畳み傘を

私は雨が本当に嫌いなので、雨の時はできれば外出したくない。研究室にいる間に雨が降り始めれば、雨がやむまで実験してから帰ろうかと本気で考え込むことがよくある。雨が嫌いな理由は何かといえば「傘をさすために片手が塞がる」ということと、もっと重要なのは「傘をさしても結局濡れる」ということに対するフラストレーションである。さらに、風を受けて傘の骨が折れないように気を配るのは、それこそ骨が折れる。

 

だが、最近私は妙案を思いついた。それは、雨の日に傘をさすのをやめてずぶ濡れになる、というものである。とにかく雨が困るのは、「傘をさす」という日常と異なる習慣に向き合わなければならないからであるので、雨が降っていても傘はささない、というルールにすれば問題は解決である。実際、(私にとって)これは大変有効だった。雨が降ってると思うから雨なのであり、雨が降っていると思わなければ、晴れている時となんら変わらない。服が濡れたところで、1時間もすれば乾くわけだし、帰宅後ならば着替えればいい。晴れの日と変わらず自転車に乗れる(曲がり角とマンホールの上では緊張するが)。

 

スコールの様な雨でなければ、大抵はこれで問題がないなと思っていたのだが、最近ちょっと問題が起きた。それは、他人の家にお邪魔するときである。私には十代のころから大変お世話になっているご一家があるのだが、ある雨の日に、傘を持たずお宅に伺ったところ、お母様から帰り際に傘を渡されてしまった。静かな春の雨で、最寄りの駅まで歩くくらいなら正直にいって問題ないかと思っていたのだが、ちょっとして状況を理解した。雨の中、客人に傘を持たせずに帰らせるなんてことは、普通は許されないことなのだ。「私には私の事情があって、傘を持つと自転車に乗れないし、傘をもった手が塞がれるのが嫌なんだ」と言ったところで(実際にそう伝えてはいないけれど)、雨に濡れて私が風邪でもひいたら困るというのが普通の感覚である。あるいは私の考えを伝えるべきだっただろうか?

 

必要以上に他人に心配をかけてはいけない、という原則を忘れていた。雨の中で傘をささないことにした自分の思考のプロセスは、少なくとも相手には伝わっていない。傘を買うお金もないのか、それとも傘を忘れてしまったのか、あるいはちょっと常識の足りない人なのか、いずれだろうかと困惑されてしまったに違いない。

 

ああ、反省。

今日からは鞄に折り畳み傘を入れておき、いざというときの「折りたたみあるんで大丈夫です」を準備しておこう。