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みかんのたね

薬学や研究の話、くだらない話、愚痴などを書きます。

美しい推論をした研究が、いい研究なのだとおもう

四月になって、もう桜が散ったねなんて話していたら、もう中旬になってしまいました。新年度です。博士課程の二年生になりました。学部の四年生だった後輩は修士課程に入り、また新たに学部の四年生が研究室にやってきました。

 

新年度早々に嬉しいニュースがありました。昨年秋から編集者とやり合っていた論文が、めでたく採択されました。12月に査読のコメントが帰ってきて、追加の実験を色々と進める中で、今までの仮説が覆ったりしながらの日々でした。追加の実験をまとめて改めて原稿を送った後、査読者から

All issues raised earlier have been thoroughly addressed. New conclusions are well justified by the data presented.

というコメントが帰ってきて、大変ほっとしました。

論文は、Journal of Biological Chemistry (American Society of Biochemistry and Molecular Biology=米国生化学分子生物学会が発行している科学誌)に発表されました。

 

科学研究における査読(ピアレビュー)のシステムは、大変よく機能していると私は感じます。私が提示した結論に対して「それはおかしい、こういう可能性があるからやってみろ」と指摘されて、コメント通り私の仮説が覆りました。それで「ご指摘の可能性について検討したところ、確かにXXXでした。先の結論を撤回して、新たにYYYという結論にいたします」と言って、それで正しい方向に研究が展開していきました。でも、まだ間違いはあるかも知れません。誰かが指摘して下されば、あるいは私が別の可能性気づけば、また実験を追加していくことになると思います。

 

研究はいつでも「間違い」を含んでいるものだとおもいます。間違いをゼロにすることはできない。だから科学の世界には査読(Peer review)という制度があって、他人同士が研究を評価しあう仕組みになっています。それでも、完璧に間違いを直せる訳ではない。結論が本当に真理かどうか、なんてことは誰にもわからないので、どういうプロセス・推論によってその結論に至ったのか、というところが重視されるべきなのだとおもいます。美しい推論をした研究が、いい研究なのだとおもいます。